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【aco.-rhivs〜sonata@十三CLUB Water】

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写真: 【aco.-rhivs〜sonata@十三CLUB Water】

写真: 【能力ト可能性】 写真: <11.17:aco.-rhivs〜sonata@十三CLUB Water>

十三にある彼の小さき箱へ
『雨』を連れて
『彼』は戻って来た。

時に美しく、時に激しく。
時に研ぎ澄まされ、
時に『歪み』を連想させる
ピアノシンセの旋律と共に、
長針の針が終始
『時』を刻むかの如く
漆黒のギターは掻き鳴らされ、
小さな空間に振り注ぐ…


『静』と『動』…
彼等の普段のライヴが
『動』を顕すなら
此のユニットは『静』を顕す。
然し、やはりrhivsの核弾頭たる彼等。
唯、皆が通り過ぎて往く
美しきだけの退屈な
壁に飾られし絵画の如き
そんなライヴはしない。

ふたりの間で睦まじく
紡がれ絡み合い、
時に互いに触発され
化学反応を起こすかの様に
留まる事を知らぬ
energyに満ち溢れた『静』…
彼等は何時だって、
例えふたりであっても。

彼等の放つ音の葉は
rhivsの持つenergyそのものだ。


『静』と『動』という
此の相反する言の葉。
非常に勘違いされ易いのだが
『energyの在る無し』を
表す対義語では無い。
energyは常に其処に存在するが、
其の『在り様が違う』という事を
表す対義語である。

分かり易い例えを上げるなら
日本が誇る伝統芸能である
『能』だろう。
彼の世界には
『全力で止まる』と言う
言の葉が存在する。

洗練された優美で緩やかな
構えや動きの中で
役者は面の下、凄まじい汗を掻くと言う。
爪先の細部に致るまで
神経を隅々に行き渡らせ、
少しの過不足も無く
能楽の『世界』を壊さない様
感情を込め、舞うのだと。

何時もよりほんの少し、
穏やかな空気の中放たれし
静やかに抑えられた
歌声が放つ一曲目…
其の僅か一曲で汗を掻き始めた
『彼』の姿に
僕の中に在った言の葉は
『彼』の放つ音の葉に依って繋がった。

『全力で止まる』事を
『彼』は本能で知っていると。


以前、僕はコラムで
歌声の『抑揚』について
ただ、『抑えれば良い』と
いうものでは無いと
明記した記憶がある。
其処に『想い』が込められなければ
単なる『雑音』でしか無いと。

僕がライヴハウスへ通い、
数多のバンドがバラードを始めると
がっかりしてしまう理由…
正に此れが『静』と『動』を
多くの『歌い手』達が
曲解している良い例だろう。

然し『彼』に
其の杞憂は一切無い。


音楽という芸術で
己の『内世界』を
『顕す』という事に
『彼』が何れ程長け
深く心を傾けているのかを、
其の誰もが決して持ち得ない
『表現者』としての
類い希なる『才能』を、

痛い程に改めて肌で、心で感じ
深く味わった『雨』の夜だった。


さて、最後に奏でられた
『Real Life Real Love』
僕は此の曲に想い入れが強過ぎて
未だ冷静でいる事が出来ず
上手く説明する事が出来ない。
此の曲に触れるだけで
涙が止まらなくなるのだ。

相変わらず何処までも成長無き
へぼコラムニストで
皆様には誠に申し訳ないのだが。

然し、僕は願う。
此の恐ろしい程に優しい
ピアノの旋律と言の葉を、
歌声に込められた
不器用な『彼』なりの
限りなくストレートな
想いの優しさを、
僕が何時までもループを繰り返し
傍に留め、慈しみたいと
願って止まない程愛する曲を
是非とも此れを読んだ
音楽を愛する沢山の人々に
ライヴで直に味わって欲しい。

曖昧な言の葉になるが、
君は『君』で在る事を
此の曲に『赦される』だろう…
そんな『愛』に包まれる
"Real Life Real Love."
此のタイトルの意味が
未だ見ぬ君も
此の曲に触れれば実感出来る筈だ。


今回、『時』を止め続ける事は
叶わなかったが、
留めようと何時になく眉根寄せ
抗い続ける姿を見せた
『彼』の其の爪痕は、
『彼』が『今』の己の精一杯で
証した『刹那』に、
僕の『記憶』に、心に、
鮮やかに刻まれた。

『"彼"なら何時かやり遂げるやも』と。
思わせるだけの強き『想い』は
確かに其処に存在し、
そして何時の日か
彼等なら『時』をも
己自身が放つ『劇薬』で
侵蝕し、蝕み、
自在に操るやもしれない…
僕はそんな刹那が来る事を
心待ちにしている。

『君ハ奇跡ヲ信ジルカイ?』

…僕ハ信ジテイルヨ。


さて、次回のrhivs-liveは12月13日。
アメ村にあるライヴハウス
心斎橋Clapper
今の時点ではrhivs-live
年内最後のライブとなる。

僕が一年間、数々のコラムに
証し遺した言の葉の『意』に
興味を持たれた方は
是非足を運んで頂きたいと願う。

彼等は必ずや其の言の葉の『意』を
『悦び』と、音の葉を以て
教えてくれる事だろう。

そして僕もまた
己の拠って立つものに賭け、
音霊を愛する只のひとりの人間として
僕自身の言の葉を操る唯一人の
『表現者』として、
彼等の其のステージを見届け
会心の笑みを浮かべている事だろう。

僕が此処に上げる
ライブコラムも年内で後一本。


僕の中にもまた、杞憂は無い。

<<aco.-rhivs〜sonata@十三CLUB Water>>



※〜『今日』という
『特別な1日』に、
誰よりも己らしく『生きる』事に
懸命な『彼』へ
敬意と共に、此のコラムを捧げる〜
<Y.Yazaki.> http://twitter.com/myproud_0117

タグ: column rhivs

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